ネットカフェ難民の定義

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 ネットカフェ難民の定義とは、Wikipediaによれば、

ネットカフェ難民(ネットカフェなんみん)は、定住する住居を所有せず寝泊りする場としてインターネットカフェを利用する人々を指した造語。

 とされている。これ自体は住まいの視点から定義しているので的確に思えるが、しかし問題がないわけではない。

一般的な高齢化による求職難、働く意思・意欲が無くホームレスになった人々とは対照的に、ネットカフェ難民は働く意思を持ち、日雇い派遣労働に従事するのでホームレスの用語をあえて使用せず、マスメディア側で2007年頃から便宜的に作られ使用されている造語である。

 つづいて上記のように解説されている文章の、「働く意思・意欲が無くホームレスになった人々とは対照的に」という部分が問題だ。ネットカフェ難民への認識が広まり、定義されるにつれ、連想されるホームレスもまた定義し直されているが、しかし、「livedoor ニュース – 【気になるトレンド用語】夜をさまよう”ネットカフェ難民”、彼らを”追いつめるもの”は何だ?」でも書かれているように、

彼らが働く意思を持っていることから”ホームレス”という言葉と区別して使われています。

 というその区別は、働く意思のない者がホームレスで、意思のある者はネットカフェ難民だという、まちがった認識を広めかねない。そして、この区別は、今以上にホームレスへの風当たりを強くしてしまう危険がある。これは問題だ。

 ご存知のとおり、2003年の厚生労働省の調査によれば、ホームレスの64.7%は仕事をしており、そのうち約20%は建設・運輸などの日雇い仕事をしている。労働意欲のあるなしでは、ホームレスとネットカフェ難民を区別することはできないのだ。

ホームレスの生活形態

 これまでも散々述べてきたが、ネットカフェ難民とは日雇い労働者がネットカフェに寝泊りしているだけの話なので、そしてそれは正真正銘、立派なホームレスなのである。ネットカフェ難民とホームレスを区別するのは、明らかにまちがいだ。

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