【フォトレポート】シンポジウム《“低きに合わせる”のが、この国の生存権保障なのか? ~次に狙われる住宅扶助基準と冬季加算の削減~》

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 2014年9月15日に東京駅前ビルで開催された、生活保護関連シンポジウム《“低きに合わせる”のが、この国の生存権保障なのか? ~次に狙われる住宅扶助基準と冬季加算の削減~》(主催:「STOP!生活保護基準引き下げアクション」「住まいの貧困に取り組むネットワーク」)のお手軽レポートです。

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 なにやら殺風景な入口でしたが……? 中に入ってビックリな参加者の数!

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 最初に吉永純教授(花園大学)の基調報告『住宅扶助基準と冬季加算削減に向けた国の策略と問題点』。「住宅扶助は家賃(の金額)についてのみ支給されるもので、居住水準は問われないことが問題」「基準を下げると家主さんの収入も下がるので、賃貸事業者と連携することも必要」「暖房費(冬季加算)は寒冷地の命綱」などのお話がありました。

 つづいて平山洋介教授(神戸大学)による基調講演『住宅扶助基準引き下げに見る住宅政策の貧困』。「OECD諸国で家賃補助がない国は、日本と地中海周辺だけ」「個人ではなく、家族や企業などのグループメンバーを助けるのが日本。社会全体的に人間を支える仕組みがない」「パラサイトシングルとは、実は非正規雇用・低賃金で、親の家から出ようにも出られない人たち」「日本の住宅政策は、社会的再分配の役割を果たしていない」などのお話。

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 山脇武治さん(宮城県生活と健康を守る会連合会事務局長)の『家賃高騰に悩む被災地からの声』。「物件なしの状況がつづき、新築ラッシュがはじまったが、保護基準では借りられない家賃」「基準が低すぎる」などの報告です。

 沼田崇子さん(岩手県二戸保健福祉環境センター福祉課長)による『寒冷地における冬季加算の役割』。「冬季加算を見直すのは、生活保護を受けながら死ねということか」「冬の寒さは個人の努力ではどうしようもない」「これ以上の冬季加算の削減はあってはならない」などのご報告。

 川西浩之さんの『車イス利用者の住宅事情』。「生活には車イスが必要だが、今の住宅を探すまでに門前払いなどもされた」「住宅扶助が下がるとまた家を探さなければならないが、とても不安」「今日の会場には段差があり、車イスではひっくり返ってしまう。こういう場所では開催しないで欲しい」などの報告でした。

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 徳武聡子さん(全国訴訟ネット事務局)による『生活保護基準引き下げにNO! 訴訟の最新情報』。「生活保護を利用しながら「お上にたてつく」のは容易ではないが、多くの利用者が抗議しているので、今後とも応援をお願いします」などのお話です。

 増子啓三さん(全国年金者組合)の『年金切り下げに12万超の不服申立て』。「4割の人が、低所得が理由で国民年金を納められない」「将来の無年金につながる恐れ」などの報告でした。

 沖縄からのビデオレター。「冷暖房を使わない時期はないので、夏季加算も必要なのに、冬季加算も削られるのでは……」「削減ばかりすると、逆に病気の人が増えるのではないか」などの意見が報告されました。

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 会場からはたくさんのご意見、質問の声が上がりました。

 司会進行役は稲葉剛さん(住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人)。

 最後のまとめは尾藤廣喜弁護士(生活保護問題対策全国会議代表幹事)。「政府は所得再分配ではなく、低きに合わせるという考え方」「住まいは人権」「今日の話を広めてください」などのお話で締めくくられました。

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