川崎市ホームレス自立支援施設問題の推移

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★12月15日

16日付毎日新聞によると、「川崎市社会福祉協議会」が市立川崎高校福祉科の学生、「愛生寮」の朝倉所長、周辺住民、ボランティア団体メンバーなど約200人を集めてパネルディスカッションを開いた。住民からは施設設置経緯における市の対応への批判、現在の利用者との良好な関係などが報告された。ボランティアメンバーは早期の自立支援センターの設置を求めた。学生からは施設での交流会が提案された。

★12月14日

15日付毎日新聞によると、「川崎市堤根周辺地域環境整備委員会」が東京都福祉保険局の池田係長を招き、「愛生寮」周辺住民や市職員ら14人が参加して「地域環境セミナー」を開いた。都のホームレス施策の説明を受け住民からは、都施設と住民との確執や、川崎の他地区での負担を求める意見が出た。

2004年★1月15日

地元住民団体「堤根・日進町地区への野宿生活者自立支援事業について再検討を求める会」(以下、再検討を求める会)が市役所で記者会見し、住民への説明が不十分などとして、工事強行なら座り込みも辞さないことを表明。

16日

市は住民に対し、19日に着工することを通告。これを受けて住民側は集会を開き、19日早朝から工事現場入り口で抗議活動をおこなうことを決定。

19日

住民ら約50人が、工事現場入り口に横断幕を張り抗議。市は着工を見合わせ、22日にも市長と住民代表らとの初会談が持たれる見通しを明らかに。

20日

市は住民らを強制排除し着工。市長は会見で「(シンフォニーホールの)ミューザ川崎の表玄関の前でホームレスの方にいられるのは困る。この事業は川崎駅周辺の全体をイメージアップするため進めている」などと発言。会談に向けて市は工事を、住民は抗議活動をそれぞれ中断。

22日

住民代表らとの会談で、市長は事前の説明不足について認めたものの、「行政をあまり甘く見ないでください」などと発言。工事中止の論拠を26日までに示さなければ工事再開との強硬姿勢貫く。

27日

市が工事を再開。

★2月2日

市が住民側に実務レベル協議を提案。

15日

住民側は集会で、施設設置を前提に市との協議を進める方針を決定。

19日

住民側と市が実務レベル交渉を開始。

28日

住民代表らが名古屋のホームレス施設を翌日まで視察。

★3月18日

第5回の実務レベル交渉で、市は住民側が要望した8項目のうち、住民ホットラインの設置や施設運営協議会への住民の参加など5項目を了承。施設所長の現役職員の配置やスーパー防犯灯設置など3項目は協議持ち越し。

25日

市が住民側に覚書案を提示。

★4月21日

第10回実務レベル交渉で、住民側と市が条件面で基本合意。

22日

「再検討を求める会」のD代表と市健康福祉局のⅠ局長が確認書に調印。

23日

D代表と市長が覚書に調印、交換。市が当面の運営方法を明らかに。
・名前は「愛生寮」
・JR川崎駅周辺に寝泊りし、かつ1年以上市内に在住する者が利用対象者
・定員250人のうち、当面は100人に入所を制限
・事前登録制
・施設運営協議会に当事者(ホームレス)が参加、など

30日

登録者40人。

★5月7日

登録者50人。

8日

市は「愛生寮」開所に向け、JR川崎駅の通路を17日から寝泊り禁止の方針。

10日

「愛生寮」開所。利用者36人/登録者55人。朝倉所長は「雨の影響もあり、思ったより利用者が少なかった」。

11日

利用者43人。

12日

市とJR川崎駅前商店街などが「川崎駅周辺環境改善連絡協議会」を設立。川崎、幸の両区長、健康福祉局長、町内会、商業施設・団体代表ら約30人が参加。会長は遠藤恭正・川崎商工会議所副会頭。駅周辺のパトロールを決定。

14日

「愛生寮」が、病院から退院したばかりの無登録ホームレスを、健康状態の確認なし、所長への連絡なしで宿泊させる。

16日

利用者54人/登録者79人。

17日

JR川崎駅通路などが寝泊り禁止に。関係者ら30人が巡回。混乱なし。「愛生寮」利用者62人で、依然当初予想を下回ったまま。

26日

利用者70人。

28日

川崎商工会議所のS会頭が記者会見で、駅周辺のホームレスが減り、第1段階としては成功と語る。

30日

利用者69人。

31日

「愛生寮」施設運営協議会の初会合。市健康福祉局職員2人、施設職員2人、住民代表3人の計7人が参加。ホームレス代表は準備が整わず不参加。施設利用状況や苦情報告(17件)など。住民代表からは「職員を増やしては」との提案。登録者121人。利用者は平均約60人。

★6月3日

市は「川崎駅周辺環境改善連絡協議会」第2回会合で、寝泊り禁止エリアを7月以降、拡大する方針を明らかに。「愛生寮」定員を現在の100人から150人に増やす計画に合わせたもの。

7日

市と施設は、JR川崎駅から半径300メートルとしていた利用者対象エリアを拡大、約600メートルとすることを決め、住民側に連絡なく登録受付を開始。市健康福祉局地域福祉課は、7月1日からの定員増に合わせ登録者を増やすのが目的と説明。

10日

市議会定例会の代表質問で市健康福祉局のI局長は、「愛生寮」利用対象者の「市内に1年以上在住」という制限を緩和したい意向を表明。住民側に事前説明なし。

21日

第2回「愛生寮」施設運営協議会で、市は施設利用条件の緩和を住民側に求めたが、「利用対象者の拡大につながる」などとして住民側は受け入れず。

23日

市はホームレスに対する「緊急援護食糧支援」、いわゆるパン券を来年度にも廃止し、自立支援へと施策転換を図る方針を発表。パン券支給希望者増で予算(今年度約9,000万円)が不足し、また事業がホームレス流入の原因になっているとの批判を受けたもの。

28日

第3回「愛生寮」施設運営協議会で、市は施設利用者と住民との交流会を提案。住民側は職員数が市の説明とちがうことなどから不信感を表明。「時期尚早」として難色を示す。また、住民側からは、昼間の施設周辺の巡回強化や、施設への誘導員を正規職員にするよう要望。

★7月1日

ホームレスへの弁当支給事業、いわゆるパン券の単価下げ開始。弁当2食を弁当1食と食パン2枚に切り替え。

?日

「愛生寮」は午前9時から正午までの間、シャワーや洗濯機、乾燥機などを使えるデイサービスを開始。

6日

利用者平均80人弱/登録者177人

7日

「愛生寮」デイサービスの利用者が5日間で27人しかいないことが判明。登録者は13人。施設側は周知の不徹底が原因と説明。

12日

第4回「愛生寮」施設運営協議会で、利用者への散髪サービスを18日にも開始することを決定。理容関連団体へのボランティア協力依頼が難航していたところ、理容師資格を持つホームレスのパートナー登録によって実現。毎週日曜に5人、髭剃りはなし。

★8月21日

地域住民の組織「川崎環境整備委員会(仮称)」の第1回会合が「愛生寮」で開かれる。町内会長やPTA会長ら12人で構成。愛生寮利用者との共存策や、施設廃止後の跡地利用などが議題。

11日

「愛生寮」施設運営協議会が開かれ、川崎BE(駅ビル)から提供を受けた160人分の更衣ロッカーを、来週にも設置することが決定。

★10月7日

「愛生寮」はハローワーク川崎と連携し、ホームレスが対象に含まれる求人情報を掲示することにした。6日の第9回施設運営協議会で明らかに。すでに建設会社1社から20人の募集があるという。(7日付読売)

※参考資料:毎日、朝日、読売、東京、神奈川各新聞
 ホームページ「ホームレスに占領されてしまった哀しい公園たち」

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