ミッドナイト ホームレス ブルー
深夜のホームレス物語
2007/6/27 ホームレスライフ
雨がしとしとと降りつづける深更にただひとり、ぽつねんと路上の影に立ち止まっていると、なんだかひどくわびしい。天から雨粒がぽつぽつと落ちてきては、透明な傘の向こうで粉々に砕け散ってゆく。ざぁざぁとやかましい音がしているのにひどく静かなのは、人間がいないからだ。自分ひとりだけしか人間がいない。まるで世界が消え去ってしまったように静かだ。ただ、雨の音だけがしている。