以前紹介した「ホールファミリーケア協会」の本。ピア・カウンセリングというのがあって、通常のカウンセリングはカウンセラーとクライエント(相談者)という形になるけれど、ピア・カウンセリングはこれを仲間内でやる。職場の同僚とかおなじ施設の入所者とかね。欧米では高齢者同士によるシニア・ピア・カウンセリングが盛んなのだけれど、その日本版が傾聴ボランティアということらしい。
本の内容はまったくの超初心者向けだ。理屈や実際の進め方から座談会や体験者の談話まで、平易に書かれている。それだけに、つまり非常に取っ付きやすくなっている。
「ちょっとやってみようかな?」
そう感じられる内容だ。
むろん、それですぐにできるわけではない。けれど、ピア・カウンセリングは、もともと専門家がおこなうカウンセリングではない。入り口の基礎知識を身につけた者がおこなうカウンセリングなので、心理アセスメントだとか心理療法だとかの専門的な知識は要らない。それだけに、ハードルは低いのだ。
ピア・カウンセリングは、ボランティアさんがおこなうのにとても適したカウンセリングなのだ。高齢者にしか通用しないということはないので、機会を探してぜひ勉強しておきたい技術のひとつだ。