川崎市のホームレス一時宿泊施設「愛生寮」が来春にもグループホームを開設すると、東京新聞が「愛生寮 来春にもグループホーム」で報じた。
グループホームとは少人数での共同生活のことで高齢者支援などではよくあるが、ホームレスのグループホームはあまり聞いたことがない。市内では初めての試みだという。
たとえば東京都の「ホームレス自立支援システム」では第3段階にグループホームが組み込まれているが、ほとんど整備されていない状況だったと思う。代わりに都では「ホームレス地域生活移行支援事業」を推進している。こちらは民間アパートを都が借り上げ、ホームレスに月3,000円で貸すという事業だ。
グループホームは共同生活だから、多くのホームレスが抱えている「身近なヒューマン・リレーションの喪失」といった問題を穴埋めすることになる。都の施策は単身生活が基本なので、定期的な相談などこまめな対応を欠かすと失敗に終わる可能性をはらんでいるが、現在のところわりと順調に推移していると聞く。
川崎ではホームレス関連施設が「愛生寮」しかなく、現在ここがすべてを一手に引き受けているような状態なので、都のような施策が取れない。今度のグループホームも施設内に設置するという。孤軍奮闘の感がある。なにが効果的な手段なのか、みな手探りなのである。