sin8さんという方の「研究員の日々雑感」というブログでニートなることばを見つけたが(「若年層のニート化は誰のせい?」)、近頃ニュースになったから、実にあちこちでよく見かける話題だ。要は「働く意思のない人」のことで「働く意思はあるが仕事がない人」とはちがうらしいのだけれども、若い人たちの間でこのニートが増えているのだそうである。
まァ、家庭がすねかじりを養っておけるほど余裕があるのか、あるいはやりたい仕事が見つけられないというような社会的な問題もあるのかも知れないが、こりゃいったいどうしたことなのかと思う。
お金のためだけなら金持ちは働かなくてよい。だが、実際には、有り余るほどの財産を持っている人物でも、それとはまったく関係なく、やはり仕事はしているのだ。それは、仕事がお金を与えてくれるからではなく、“自分の価値を高めてくれる”からではないのか。なにかを成し遂げる自分を誇りに思い、そしてまた周囲もそれを賞賛してくれる、そのことによって自分の価値を高め、またそれを確認できるからだろう。そうしたことに踏み出せない若者は、自分の価値に大きな不安を感じているのだと思う。自己評価が低いのだ。
なにかモラトリアムということばを思い出させるような現象だけれども、この先、自己評価を高める場を得ることができなければ、つまるところ、彼らの行き着く先はホームレスである。
★今日のポイント
- なにかを成す自分を誇りに思い周囲も賞賛してくれるので、仕事は自分の価値を高めてくれる
- ニートは自己評価が低いので自分の価値に不安があり、就業に踏み出せない
- 自己評価を高められないと、将来、ホームレスになる可能性がある
※この否定的見解の一部は、その後180度転回してゆく。詳しくは『ニートと引きこもり(1)』へ。