「リプラス」破綻で「もやい」が窮地に

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支援企業破たん、窮地に 困窮者入居保証のNPO(中国新聞/2008.11.3)

 今年相次いだ不動産会社の破たんが、思わぬところへ影を落とした。九月、米サブプライム住宅ローン問題などの影響で東証マザーズ上場の「リプラス」が東京地裁に破産を申し立てると、生活困窮者を支援する特定非営利活動法人(NPO法人)「自立生活サポートセンター・もやい」(東京)は運営費の約四割を失い、窮地に陥った。

 「ボランティア活動は寄付に頼らざるを得ない事情があり、ギリギリの線で運営している」。湯浅誠事務局長は、スポンサーを失った“打撃”を率直に認める。

~中略~

 飛躍は〇六年四月。リプラスがCSR(企業の社会的貢献)として、協力を申し出た。運営費として年間約千三百万円を寄付。さらに、同社はもやいが紹介した約三百五十世帯の家賃六カ月分を保証した。

~後略~

株式会社リプラスというのは「Wikipedia」によると、「賃貸住宅の滞納家賃保証システムの提供と不動産ファンドのアセットマネジメント、及びそれらに関連するファイナンスサービスの提供」を業務としていた不動産会社のようで、従業員も600~700人以上いたらしいデカい会社だったようだ。

まぁそこが潰れたというニュースで、焦ったマネジメント(?)だとかファイナルアンサーサービス(??)とかなんだとか、ややこしいことはさっぱりわからないのだけれど、いやぁ600人だか700人だか元従業員の人たちは、こりゃぁこの先どうなっちまうんだろうと、いやぁ、こりゃぁ心配するわけである。

再就職ったって給料はガクンと減るだろうし、乳飲み子もいりゃぁ子どももいて学費もかかるし、家のローンだって車の支払いだってあるだろうし、まぁいきなり路上に放り出されることはないにしても、唐突に襲ってきた生活不安が拭えるまではたいへんだなぁと思う。倒産はほんとうにおっかないが、自分のところがとなればねぇ……。ひとりも路上に堕ちることのないよう願うばかりだ。

ところで、ビックリしたのは、CSRでホームレス支援団体「もやい」に金を出していたってことだ。年間約1,300万ッ! それ以外にもたくさん援助していたらしい。企業もようやく貧困者支援に目を向けるようになったということなのか、そのさきがけであったのだろうが、そういう会社が倒産という憂き目に遭うってのは無慈悲な話である。むごい。

余談……ながら、支援を受けていた「もやい」も当然、窮地に立たされている。もちろんこのニュースはそこが焦点なのだけれど、ぼくはこれを「余談に過ぎない」と考えている。援助を受けていた「もやい」がどうこうよりも、まず最初に600人だか700人だかの先行きを心配するのが順番だ。

「もやい」は現存するホームレス支援団体の中でも、かなり先進的な部類だ。先進的でアクティブである。それまでは無理といわれていたことも実現し、業績を積み重ねて結果も出している。メディアのウケもよく、知名度も高い。おそらくホームレス支援団体では、最先端を走っている組織だ。

だが、ここも所詮は窓口営業に過ぎないのである。

ぼくはこれまで幾重にも書き連ねてきたけれど、結局はこの点が行政にしろホームレス支援団体にしろ、現存する組織の限界なのだ。先頭をゆく組織でさえ、「待ちの姿勢」から決して抜け出そうとしない。既成団体の最大の問題であり最大の欠陥は、まさにこの部分に尽きる。

ぼくがこのブログで取り上げたり写真で紹介してきたのは、いずれも「待ちの姿勢」でいては決して路上から救い上げることのできないホームレスたちばかりなのだ。その意味では、支援団体と接点を持たないホームレスたちである。いや、支援者にしてみれば顔ぐらいは合わせたことがあるかも知れないが、路上から引っ張り上げるだけのつながりは持ち得なかったのだから、結局、接点らしい接点はなかったわけだ。それゆえ、彼らは今も路上にいるのである。……それゆえに。

彼らはいうだろう。
「自分とつながらない支援組織がどうなろうと知ったことじゃない」
と。そして、そんなことよりも、仕事を失った数百人の行く末を心配するだろう。それが、このニュースをして、ぼくが「余談に過ぎない」と称する理由である。

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