「ネットカフェ難民 「しんどい」と訴える妊婦まで」

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釜ケ崎支援機構が大阪市の委託でおこなった調査を「<ネットカフェ難民>「しんどい」と訴える妊婦まで 100人の実態調査」(毎日新聞・2008/05/22)より。

◇妊娠「部屋を借りたい。しんどいよ」

 30代前半の女性は派遣会社に登録し、午前8時から午後5時15分まで働く。時給800円。高校卒業後、彼に「自立しろ」と言われて家を出るまでの10年はさまざまな仕事で母との生活費を稼いだ。ネットカフェは彼に「大阪で一番安い」と紹介されて使い始めたが、熟睡はできない。

 妊娠している。彼が病院に付き添ってくれると思ったが、朝電話したら「22時まで仕事をしていたのでしんどい」と言われ、一人で診察を受けた。彼には「(子どもおろすのに)なんぼ、かかるの?」と言われた。 「ほんというたら、大切な命だから、殺すわけにはいかない。貯金が100万200万あったら……。頑張りたいのに」。4万円あった貯金は彼の借金返済に消えた。職場までの交通費は往復約500円。昼食に1000円。朝、夜はコンビニ店でパンなどを買う。使ったお金をノートに書き彼に見せている。

 「部屋を借りたい。しんどい、しんどい、しんどいよ」。調査の後、何度か相談の電話があったが、連絡は途絶えた。

高卒、派遣、妊娠……。非常にしんどいケースである。彼、というのは、いったいなにをしている人なのか? 自立しろといっておいて最終的にネットカフェ生活を勧めるとは、尋常ではない気がするのだが……。おのれがどうにかしてやれる器量の持ち主ではなさそうだ。この記事だけを読むと、相手の男に大きな問題があるような気がしてならないが。

ネットカフェを定宿とする人間は、なにも派遣の若者ばかりではない。ある調査では、中高年が多くの割合を占めていたともいう。ぼくの知る限りでも、中高年層はかなり多い。また、時折、20代の若いカップルを見かけることもある。「派遣の若者」という枠組みだけで、ネットカフェ難民は語れなくなってきているのである。

◇食事は1回フリードリンク5リットルだけ

 勘当された実家近くのネットカフェを使う30代前半の男性。山口、香川、岐阜、埼玉県の工場で半年契約で働いた。「(半年を過ぎると)時給が上がるから。安い単価で使えるわけ」。今は派遣で週3、4日、働く。午後10時から午前10時までで7000~9000円。

 ネットカフェなら仕事も探せるし、漫画もある。最近の食事は1日1回、そばか、うどんだけ。ひどいときはフリードリンクで1日5リットルもジュースを飲む。「糖尿病になるのでは」と不安だ。

ネットカフェは元々マンガ喫茶の発展型なので、どこの店舗もマンガの在庫は豊富だが、マンガを読むネットカフェ難民は、実はそれほど多くない。

中高年の典型は、メシを食ってシャワーを浴びてテレビを見て寝るというパターンである。ときどきゲラゲラ笑い声を上げる人もいる。人によっては酒を呑む。ついでにいびきをかく。

若者の典型は、メシを食ってシャワーを浴びてインターネットをしてテレビを見て寝るというパターンである。テレビを見ているのだろう、ときどきゲラゲラ笑い声を上げる子もいる。やはり、人によっては酒を呑む。いびきをかく子はあまりいないかも知れない(笑)。

いずれにせよ、たいていの連中はまず寝るためにくるのであって、マンガを読みにくるわけではないので、意外とマンガは読まれていないのである。

ぼくは、メシを食ってシャワーを浴びてインターネットをするが、テレビは見ないしマンガも読まない。仕事を含めたネットでの作業がきわめて忙しく、ほかのことをしているヒマはない。他の連中がいびきをかいているのに、ひとりキーボードを叩きつづけるのも毎度のことである。よって、睡眠時間もあまり取れない。当初は寝にきていたはずなのだが、どうなってんだか(笑)。

フリードリンクは種類が豊富なのでついつい飲んでしまうけれど、やはり糖分の取り過ぎは気になるところだ。なので、ぼくなどはほとんど緑茶かウーロン茶で済ませるようにしている。野菜ジュースとかあるとうれしいんだけどね(笑)。

 仕事の経験では、派遣会社の紹介は交通費や作業着などを自己負担させられ、住居付きの職場は寮費や布団代などを差し引かれ、結局お金が残らないと多くの人が訴えた。「住民票がない、住居がない、仕事がない、何を優先すれば安定した生活が送れるのか分からない」と悩む声も。

 結果をまとめた島和博・同大学院教授は「社会の最下層に貧困が貧困を生む仕組みがあり、若年層や特殊な地域に限られた問題では済まなくなっている」と指摘している。

最下層に堕ちると貧困の連鎖が待っている。わずかな所持金をあれやこれやで持っていかれ、手元にはなにも残らず、いつまでたっても抜け出すことができない。どこかに手をつけようとすると、ほかのことが破綻してしまう。「就職したいが給料日までの生活費がもたない」などというのはその典型である。貧困というのは、実はすさまじくお金のかかる状態でもあるのだ。並みの稼ぎでは、貯金などまったくおぼつかないのである。この調査は、そのことを知る手がかりの一端となるだろう。

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