ホームレスの将来

スポンサーリンク

TS350113

 ホームレスに将来があるか、と問われたら、躊躇なく「ない」と答える。ホームレスの将来とは、すなわちワーキングプアのことだからだ。

 ホームレス脱出、などといったところで、所在なきワーキングプアから、住まいのあるワーキングプアに出世するだけである。そこがホームレスのドン詰まりだ。その先に道はない。

 にもかかわらず、ありもしない将来をめざして生きてゆかなければならぬとは、どういうことなのか。ぼくらはそこがドン詰まりであることを知りながら、
「ホームレス脱出をめざしてがんばりますッ!」
「ネットカフェ難民から脱出しますッ!」
と叫ぶ。ことばの裏に、どこかウソが潜んでいることを感じながらも。

 ことばだけが、ただ虚ろに響きつづける。
(ジャングルジムにて。すその擦り切れたパンツとともに/2007.05.23撮影)

関連記事

致命的なまでにすれちがう世界、あるいは淡白さ... Side A ルイス・ブニュエルの「自由の幻想」という映画だったように思う。ひとつのエピソードの登場人物が次のエピソードの主人公になってゆくオムニバス形式で、たがいのエピソードには関連性がないという変わったシロモノだが、中でも奇妙なのがこの話である。 ある少女が行方不明になった、あるいは誘拐されたと...
未成熟なココロ トップページに、改めてホームレスの分類についての解説を載せた。以前に公開していたものを引きずり出してきて、少し書き直した。「明るく元気で前向きにガンバッているホームレス」ばかりがホームレスじゃないんだよ、ということを訴えたい気持ちが強かった。けれど、なんだってこんなことをするのだろう。いまさらどうで...
並ぶ並ばない並べない、立ち入れない取り戻せない、そして立ち去る...  ここ数年、正月は、とある路上で開かれる新年会にお邪魔させてもらっている。主催は野宿者で、近隣の路上生活者やサポーター、社会運動家、立場のよくわからない人、あるいはぼくのように得体の知れない者までが集い、新年のあいさつを交わして、おみくじを引き、書き初めをし、飲んで食べて笑い合い、真剣に語り、ときと...
池に浮かぶベンチ  6月15日、梅雨入り宣言翌日の川崎市等々力緑地にて。ほんとうは池にベンチが浮かんでいるわけではないのだけれど、前日の雨でできた水たまりの中、ベンチが孤立している。...
スポンサーリンク