世帯の所得格差、過去最大に

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世帯の所得格差、過去最大に…厚労省調査の05年ジニ係数」と8月24日付・読売新聞が報じた(Yahoo!ニュースより)。

 厚生労働省は24日、世帯ごとの所得格差の大きさを表す2005年のジニ係数が0・5263で、過去最大になったとする「05年所得再分配調査」の結果を発表した。

 同省は、一般的に所得が少ない高齢者世帯の増加が主な要因と見ているが、「非正規社員と正社員の所得格差などが影響している可能性も否定できない」としており、次の臨時国会などで格差問題を巡る議論が活発化しそうだ。

 同調査は、3年ごとに実施されている。ジニ係数は0~1の間の数字で表され、格差が大きいほど1に近づく。

 今回の調査では、ジニ係数が前回を0・028ポイント上回り、初めて0・5を超えた。例えば、全体の25%の世帯が所得総額の75%を占めた場合などに、ジニ係数は0・5となる。

さらに「世帯の所得格差指標、過去最大に=04年のジニ係数-厚労省」(時事ドットコム)には以下の説明がある。

当初所得から税金と社会保険料を差し引き、公的年金や医療保険などの社会保障から受け取った額を加えた再分配所得でも0.3873と、前回(01年)の0.3812から微増し、過去最高を更新した。

~中略~

厚労省は「再分配所得のジニ係数は前回と横ばいで、社会保障により(格差を小さくする)所得の再分配機能が働いている」としている。

えぇと、これはだな、金持ちと貧乏人が増えて中間層が減ったという解釈でよいのかしらね? 「全体の25%の世帯が所得総額の75%を占めた場合など」というのはすごいね。

経済用語に「パレートの法則」ってのがあって、Wikipediaでは「全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという説」と説明されている。全体の2割が全体の8割を占めるということから、別名「80:20の法則」。

以下は、Wikipediaで挙げられている使用例だ。

  • ビジネスにおいて、売上の8割は全顧客の2割が生み出している。よって売上を伸ばすには顧客全員を対象としたサービスを行うよりも、2割の顧客に的を絞ったサービスを行う方が効率的である。
  • 商品の売上の8割は、全商品銘柄のうちの2割で生み出している。→ロングテール
  • 売上の8割は、全従業員のうちの2割で生み出している。
  • 仕事の成果の8割は、費やした時間全体のうちの2割の時間で生み出している。
  • 故障の8割は、全部品のうち2割に原因がある。
  • 所得税の8割は、課税対象者の2割が担っている。
  • プログラムの処理にかかる時間の80%はコード全体の20%の部分が占める。
  • 全体の20%が優れた設計ならば実用上80%の状況で優れた能力を発揮する。

今回の件と関係がありそうなのは6番目か。「25%の世帯が所得総額の75%を占めた場合」かぁッ! 金持ちはますます富み、貧乏人はますます貧乏に……。関係ないが、「和歌山毒物カレー事件」で林眞須美被告に毒を盛られたとされる夫が、かつてのインタビューで「お金はお金のあるところにやってくる」という趣旨の発言をしていたことを思い出した。

まぁ、そのやってきたお金を社会保障で再分配するわけだけど、それはちゃんと機能しているよと、厚生労働省はいうわけだね。けど、そっから漏れた人たちが問題になってるんじゃなかったっけか? ワーキングプアとかネットカフェ難民とか、いうまでもなくホームレスとか。

そういえば、先日「おかまネットカフェ難民生活記録」というブログからリンクの依頼があったのだけど、この管理人さんはトランスジェンダーのネットカフェ難民ということで、まぁいろいろたいへんだろうなぁと思っていたところ、どうやらめでたく先行きの目処が立ったらしいのだが、ネットカフェ難民になる以前の年収が600万円だったと聞いてちょっと驚いた。もともと、お金を稼ぐ能力はあった人なんだね。

いや、ぼくなんかさ、年収400万以上だったこと、ないよなぁ? そんなに稼いだ覚えがない。200とか、よくて300とかをウロウロしてたんだものね。バイトで月に20万稼いだっていって喜んでたんだもんなぁ。金を稼ぐ能力を根っから欠いてたんだな。そういうわけで、貧乏人はますます貧乏になって、貧乏なホームレスはますます貧乏なホームレスに……。世の中、やっぱり金かいッ!?

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