思慮深さ

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ブログの訪問者もいろいろだけれど、滞在時間など見ていると興味深い。ウェブサイトは印刷物よりも斜め読みされるケースが多いのだが、それでもこの速さで読めるとは到底思えない速度で読み飛ばされてゆくことがわかる。

このブログで、ひとり平均3分弱である。速い人では1分ぐらいだ。書いたぼくより速く読む(笑)。読むというより眺めている速度である。これでは文章と文章のあいだにある余白、行間を読んでもらえるわけはないし、読んだあとの余韻にひたってももらえない。おそらく考えながら読まれていないから、内容さえまともには理解されていないだろう。

そんな中、時折、じっくりと腰を落ち着けて読んでくださる読者がある。単に読むのが遅いだけなのかも知れないけれど(笑)、おなじものを繰り返し読んでくださる人もある。なにかが心に引っかかり、考え考えしながら読んでくださっているのだろうと思う。とてもうれしい。

丸谷才一だったか、本は読むだけではダメで、読んで「考える」ことが大切なのだ、といっていたけれど、読んで「はぁそうですか」だけで終わってしまうようなもの、あるいは「いや、そうじゃない」という単一な反論を引き起こすようなものを書くのは、書き手として極力避けたいとは思う。

ものごとを見る角度は実にたくさんあって、訊かれて直ちに答えが出せるほど単一ではない。なにごとにもハキハキと即答できるような人は気持ちがよいけれども、逆にいうと、多面的な思考によって深く悩むことなく一面的な結論を持っているだけで、実際にはなにもわかってはいないということもできる。

世界を知るには、あまりにも人生は短過ぎる。訊かれて腕組みをしたまま押し黙ってしまうような人のほうが、むしろ思慮深く信用できる人間だともいえるだろう。だから、ひとりでも多くの読者を腕組みさせてやろうと思ってはいるのだけれど、なかなかどうして、これがとってもむずかしいのだが。

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