コミュニケーション能力が、ない

スポンサーリンク

なんだか最近はコミュニケーション能力が重要視されているんである。ふだんの日常的な人間関係をはじめとして、仕事でもコミュニケーション能力が非常に重要視されているんである。企業の採用担当者も、コミュニケーション能力をとても重要視しているんである。ビジネスコンサルタントなども、コミュニケーション能力をやたらと重要視しているんである。あなたの友だちも家族も、みんなコミュニケーション能力を重要視しているんである。

ぼくはコミュニケーション能力がとても低いんである。というか、ない。相手の話を聞きながら、うなずいているだけなんである。すばやくてきぱきと的確で明快な返答などしたことがないんである。打てば響く、という褒めことばがあるが、打たれてもびくともしないんである。それだから、相手は首を傾げてしまうんである。

どうも、それではいけないらしいんである。がしかし、寡黙な人間がこの歳になって立て板に水とばかりにしゃべれるようになるのは、もう無理だと思うんである。もうこのままやってゆくしかないんだと思うんである。それで嫌われたって、もう仕方ないと思うんである。それがダメだといわれても、しょうがないと思うんである。

黙ってフンフンと話を聞いていては、なぜいけないのだろうかと思うんである。でも、おもしろい話とか気の利いた話とか感心する話とか、そういうのができないとダメな人間だということになってしまっているんである。いっしょにいておもしろい人とか、そういう人間でないとダメだということになってしまっているんである。

ぼくはいっしょにいてもおもしろくないんである。つまらないんである。だから人間としてダメらしいんである。現代はコミュニケーション能力が高くないと、人間としては認められない時代なんである。コミュニケーション能力が低いと、それだけで人間扱いされないんである。もう、ぼくは貝になりたいと思うんである。

関連記事

ホームレスの将来  ホームレスに将来があるか、と問われたら、躊躇なく「ない」と答える。ホームレスの将来とは、すなわちワーキングプアのことだからだ。  ホームレス脱出、などといったところで、所在なきワーキングプアから、住まいのあるワーキングプアに出世するだけである。そこがホームレスのドン詰まりだ。その先に道はない...
ほんとうのホームレス問題(ホームレス問題ヲ語ルトイフコト)... 小説の書き方には2種類ある。「わたし」が主人公の1人称小説と「誰か」が主人公の3人称小説だ。1人称のほうが書きやすく思えるので、たいていの人は「わたし」を主人公に書きはじめる。が、実際には1人称のほうがむずかしい。したがって、初心者の書いた1人称小説は読むに耐えぬものとなる。 理由はさまざまだが...
ハードボイルドな空  暗くどんよりとした鉛色の雲が、この街を押し潰すように低く垂れ込めていた……などというとハードボイルド小説の書き出しのようだが、5月31日の夕刻、東京地方は雷鳴とどろいて、まさに鉛色の雲がどよよんと押し寄せた。こののち凄まじい豪雨となったのはいうまでもない。  ハードボイルドなホームレスは、し...
ホームレス相手にストレス解消 先日、東京は墨田区の公園に住んでいたホームレスのおじさんが、定時校生のふたり組に殺された。酒を飲んだあとのストレス解消、だという。こんな事件も珍しくなくなった。 学校がヒマになるとつまらぬ輩が出てくる。10日ほど前か、深夜、公園のベンチに寝ていたところを頭の上でロケット花火を打ち上げられた。やはり高...
スポンサーリンク