なにも届かないことばたち

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「見えにくくなってゆくホームレス」のコメント欄でオセロットさんからいただいた、

 このところの健次郎さんのトピックに触れながら想うのは、“個人と普遍”、“ガッカリするかもしれない読み手の在り方”と表現されたこと=一連のトピックで“哀しさ”や“喪失”を健次郎さんのスタイルで叩きつけるように刻まれたことの“届かなさ”です。

 という一文が、妙に頭にしこって離れずにいる。このブログには400以上のトピックがあるのだけれど、そう、ぼく自身、これだけのことばをつづっておきながら、相手のこころになにひとつ届いてはいないのだということを、毎日のように感じているからだ。

 これは「そう感じる」という感性の問題であって、理屈ではない。強いていえば「流れにハマッていない」とか「ズレている」などとしか表現し得ない、決してことばではいい表せないたぐいのものだ。

 伝えたいことが伝わっていない、相手に思いが届いていないという感じは、わかりやすくいえばあるいは片想いのような感情かも知れない。多くの人はそうした経験があるはずで、感覚的にはむしろ理解しやすいだろうか。こちらの気持ちが相手のこころにまったく届かないという、あのどうしようもなくやるせない切なさのようなものである。

 ことばで気持ちが届くというのは確かに幻想ではあるが、相手の気持ちを「共振」させることはできる。片想いを知らない人にもその感情を追体験させることはできるはずなのだけれど、ぼくのことばが稚拙なのか、相手が共振している感覚がつかめない。「ズレている」どころか「まったく接していない」感じがある。完全に分離しているのだ。

 ぼくはもしかすると読み手のみなさんに、片想いをしているのかも知れない。決して届くことのない、永遠の片想い。

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