からっぽの段ボール箱

スポンサーリンク
Home Bound Home Bound
浜田省吾
SE 1999-09-29

Amazonで詳しく見る by G-Tools

悲しみ果てしなく 風は夜ごと冷たく
人は去り人はくる
でも気づけば 道しるべもない道にひとり
(家路/浜田省吾)

東京は一時の陽気がすっかり影を潜め、連日、震えあがるような冷たい雨模様がつづいてはいたものの、世間はやはり4月なのであろう。そこかしこにフレッシュマンの笑顔あふれ、新年度のはじまりでもあり、人々はどこか浮き足立っている。

俺は置いてけぼりをくっている。その慌しげな急ぎ足についてゆけない。人はやってきて、とおり過ぎ、そうしてまた遠くへと去りゆく。気がつけば、俺はまたしるべなき路上の人である。

俺は今、からっぼの段ボール箱だ。箱の中身はなんにもない。それでも闇のような、押しつぶされそうな孤独だけを頼りにただ、歩いてゆくしかない。どこへ? そう、どこかへだ。どこかへ向かって、ただ歩いてゆくんだ。

そして夜が明けたら また生きてくために
くらしを背負って歩き出す
疲れた体 次第になにも聞こえなくなる 感じなくなる

だけど どんなに遠くても たどり着いてみせる
石のような孤独を道連れに 空とこの道 出会う場所へ
(家路/浜田省吾)

関連記事

年忘れホームレス座談会 「なんじゃ、健次郎。おぬし、またひとりぼっちになってしまったのう」 「よせやい。元に戻っただけじゃねぇか」 「そうもいえるが……。で、どうじゃったかな。ブログを1年半やってみて」 「……疲れた、というのが率直なところだな」 「そうか、疲れたか」 「俺のような状況にあって、ふつう、こういうことはしね...
歩く健次郎  5月22日撮影。歩きながら自分の足元をノーファインダー(ディスプレイを見ずに勘で撮る方法)で撮ったうちの1枚。この日はむやみに5万歩ぐらい歩いている。  左上の花はツツジかなにかだろうか。この季節、道端でほんとうによく見かける花なのだけれど、その名さえ知らず、すべて通り過ぎてゆく。...
ホームレス、ちょー寒いッ!  この冬は、ここ数年でいちばんの寒さだろう。都心で降っても川崎は降らないというほど雪に縁の薄いこの街も、先日はうっすらと雪化粧。身震いするような寒さであった。今日も先ほどまで路上をウロウロしていたが、ウンザリするような冷え込みである。  凍りつくようなアスファルトの上にダンボール一枚を敷き詰め...
ホームレス列伝(2)  みんながささっと夕食を済ませてさっぱりとシャワーを浴び、一服つけてさぁボチボチ横になろうかという時分だった。ぼくはベッドにも向かわずに、今や唯一の住まいとなったホームレス施設のベンチに未だうずくまっていた。  砂利を踏む湿った音に顔を上げた。痩せた青い顔が闇に浮かぶ。Aちゃんだ。 「隣、い...
スポンサーリンク