貧困層ビジネス「レストボックス」

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日雇い宿無しフリーターをターゲットにする「貧困層ビジネス」の実態」(livedoorニュース)が、テレビ東京「ガイアの夜明け」の4月3日放送分「雇用格差 ~漂流する“就職氷河期世代”~」を踏まえ、住まいなき若年ワーキングプア層、いわゆるネットカフェ難民などをターゲットとした貧困層ビジネスを報じている。

ここで紹介されているのは「レストボックス」と呼ばれる廉価な宿泊施設で、2~3段ベッドに一泊1,000~1,880円程度で泊まることができるというもの。台所、トイレ、ランドリー、シャワーはすべて共用。要するに内実は「ドヤ」なのだが、上記サイトでは「フリーター求職者向けのアルバイト寮」という説明がされている。

貧困層を囲い込むビジネス

問題となるのは、こうした施設が貧困層をターゲットとしたビジネスの一端であるということで、全体像の実態については「最強都市 THE西成」に詳しいが、激安の衣料品店、700円の床屋さん、激安食堂・お弁当、70円の自動販売機ジュース、最安値一泊500円の木賃宿(ドヤ)など、あるいは将棋クラブ、大衆劇場、成人向け映画館といった、町ぐるみで貧困層を囲い込もうとする実態がある。一度住んだら容易に抜け出せないような仕組みなのだ。

「レストボックス」は東京・山手線沿線に展開しているので、必ずしも囲い込みを促進しているわけではないが、「若者ドヤ、OKWave…経営者はホームレス出身」(イザ!)には、

レストボックスはもともと、建設業の仕事を請け負う作業員のために、同社が用意した「寮」だ。だが、「仕事はしないが、寮は利用したい」というニーズに応じる形で、住まいのないフリーターに「住居」を提供した。それが、「レストボックス」になったのが、平成15年だ。

と紹介されている。事実、運営会社である「エム・クルー」のサイトには、事業内容として「建設雑工請負業務」があり、

フリーターや求職者が安定的な職業に就けるまでの期間、一定水準の生活が出来る様、仕事を提供しております。

とある。すなわち単なる「ドヤ」だけでなく、業務請負先の「飯場」としても機能しているわけだ。住居だけでなく仕事もついてくるとなると、それはひとつの囲い込みと見ることもできるだろう。

経営理念は正しいか?

また、「レストボックス」の「初めての方へ」というインストラクションには、メリットとして「友達・仲間が増える!」とあり、

レストボックスには「夢に向かって頑張っているフリーターがたくさんいます。同じ夢を持った仲間が増えるかも?!

と書かれているのだけれど、前述の「若者ドヤ、OKWave…経営者はホームレス出身」で、自身もホームレスの経験を持つ社長の前橋靖さんはいう。

 2段ベッドが並ぶレストボックスでは、誰かしらの目覚まし時計が早朝に鳴り、1人、また1人と仕事へ出かけていく。
 「すると、怠けてアパートを追い出されて流れ着いた若者も、『自分も働かなきゃ』というモラルを取り戻していくんです。レストボックスのような共同生活の利点はそこにあるんです」
 働く意欲を取り戻し、再起までのベースキャンプにしてもらえれば-。

ここで「おや?」と思う。「怠けて」ということばが妙に引っかかるのである。これはもしや「怠けている若者に働く意欲を取り戻してもらおう」という、矯正事業の一環なのだろうか? 全部の若者に対してではないにしろ、自社サービスの「利点」として「怠け者の若者」という観点を持ち出すこの経営者に、一抹の不安を感じずにはいられない。

 「レストボックスはもちろんビジネスだが、定住先のないフリーターに、帰る場所を提供するセーフティーネット(安全網)づくりでもある」

と豪語する「レストボックス」。はてさて、この先の展開はいかに。

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