取材という名の突発的事件

スポンサーリンク

ブログの管理やメールチェックなどを手早く済ませ、さてこの冷え込む夜をこれからどうやり過ごそうかと急ぎネットカフェを出たとたん、景色がふだんとは微妙なちがいを見せていることに気がついた。

まったくほんの些細なことなのである。たとえば、いつもは人がいない場所に人が立っている。いや、人が立っていることもあるが、それは若者だったり労務者だったりして、そのような人たちが立っていることはない。そのような人たちとは、すなわちビジネスマンでありビジネスウーマンだ。しかも、男性は、明らかにぼくを注視しているではないか。これはまったく奇妙なことだった。

嫌な予感を抱えたまま歩道を歩きはじめたぼくの行く手を遮るようにして、案の定、男性が声をかけてきた。なにか、ネットカフェがどうこうという。名刺を差し出されて見てみれば、某大手新聞社の名が刻印されている。う、っと思う。取材、なのである。

これまで数度、取材の依頼があった。ほとんどがホームレス問題に関わるもので、某新聞社の英字版の記者、外国の新聞の日本特派員、フリーライターなどだったが、すべて億劫なので断ってきた。先日も某新聞社から、こちらはネットカフェ利用者に関わることでやはり取材の申し込みがあったけれど、私事にかまけてほったらかしになった。

そこへまたしても今度は突発的な取材で、しかも相手は眼の前にいる。もちろんぼくを目指してきたわけではないが、といってむげに断れなかった。街頭でポツポツと話を聞いていると、やはり多くの人に断られた様子である。ではまぁよろしい。彼らがぼくに声をかけたのも縁というものかも知れない。そのままファミリーレストランへと流れた。

内容については今は詳しく触れないが、なにかネットカフェの利用者層について記事にするようであった。頻度や金額、店内での過ごし方、あるいは利用者間のコミュニケーションなど、その生態について調べていたようだ。格差社会がどうのという話が早々に出てきたところを見ると、ワーキングプアと絡めての記事なのかも知れない。

そのあたりはいまだにはっきりしないのだが、ぼくは今までこのブログに書いてきたようなことをべらべらとしゃべり、ホームレス問題がどうしたとまくし立てた。しかし、それほど興味を持たれなかった様子からすると、やはり記事の趣旨からは外れていたような気がする。

記事になるのかどうか、それすらもわからない。たとえ記事になったとしても、ぼくのことが書かれるかどうかはまったく不明だ。仮に書かれたとしても、1行で終わるかも知れない。こうしたことになにかを期待するのは馬鹿げているし、そもそもぼくは今まで自身が露出することを避けてきたのだから、今さらどう扱われようが大して意に介さない。おそらく8~9割がた、ぼくのことは書かれないのではないか。やぶをつついたらおかしなヘビが出てきてしまっただけなのだろうと思う。

とはいうものの、コーヒーをご馳走になり、さらにいくばくかの取材協力費だかカンパだかをせしめ、ついでに寒空の下を歩き通すこともなく朝を迎えられたのだから、これはまったくゴキゲンな話であった。次の機会には、ぜひ豪勢な食事もせしめたいと思う(笑)。

関連記事

ニートの日…… 2月10日は語呂を合わせて「ニートの日」だったそうだ。それに合わせてNPO法人ニュースタート事務局が「第一回ニート祭り」を開催したというニュースが報じられた。「ニートな僕らが時代を動かす!」と題して、仮装でウォーキングしたりシンポジウムを開いたりしたようだが、ブロク上での評価は低い。 まじめな問...
’07参院選 選風 ネットカフェ難民 1畳の暮らし 1票遠く... 「’07参院選 選風 ネットカフェ難民 1畳の暮らし 1票遠く」と、6月30日付・東京新聞夕刊が報じた。  今月下旬の夜、ネオンが輝く東京・新宿の歌舞伎町の一角。24時間営業の「ネットカフェ」に出入りする人に、背広姿のグループがビラを手渡していた。  「何か困ったことはありません...
犯行後ネットカフェへ 『母殺害』高3... ぼくが公園のベンチで寝ているスキに、世間ではまたぞろ事件だ。「犯行後ネットカフェへ 『母殺害』高3 死因は失血死 タクシー呼び自首」(5月16日付・東京新聞)。  福島県会津若松市で切断した母親の頭部を持ち自首した県立高校三年の少年(17)が殺人容疑で逮捕された事件で、少年が十五日朝、インターネッ...
『ひきこもる若者たち』(町沢静夫/大和書房)... ホームレス問題との接点を考えながら、引きこもり関連の情報にあたっているが、この本の著者は有名な精神科医。とりわけ人格障害、特に境界性人格障害、いわゆるボーダーラインの権威だ。なにより、あの「佐賀バスジャック事件」で両親の相談を受け、少年を入院させるべく、警察や病院に手を打った医師その人である。病院が...
スポンサーリンク