ニート脱出にブログがひと役

スポンサーリンク

山形大学の加納寛子助教授は10月30日に開かれたシンポジウムで、ブログがニート脱出に役立った事例について報告した。朝日新聞が報じた(リンク切れの可能性があります)。加納助教授によれば、
「ネット上で他者とやり取りをすることが、自分を客観的に見つめるきっかけになることもある」(同紙より)
そうである。

 【ケース1】 30代前半男性。ネット上でネット技術の情報交換を通じて助教授と知り合った。

 男性は中学に途中から通わなくなり、引きこもった。「自分がこうなったのは教師や親が原因なのを知ってほしい」とブログを始めた。

 ブログにアフィリエイト(成功報酬型ネット広告)をつけたら、わずかだが報酬を得られた。「これなら自分にも稼げる」。自室でできる仕事を探し、ネットで知り合った個人事業者からウェブ作成の仕事を得られた。月収10万円弱だが、食費を親に渡している。

 「引きこもりがちなニートの人に『外に出なきゃ』と諭す人がいますが、外に出るのが困難ならパソコンの前で稼ぐのも一つの方法です」と加納助教授は指摘する。

 仮想空間のブログから実社会とつながるきっかけができることもある。

 【ケース2】 20代後半男性。成績不振と劣等感から荒れ、高校を退学。大検を受けて進んだ短大でも不登校に。ネット上のオークション(競売)にはまった。ブログに書くと、オークション仲間ができた。仲間との飲み会に参加。会場の店にその後も入り浸った。店長から誘われ、給仕の仕事に就けた。

 加納助教授はニートの人たちに向き合う際、ブログなどに今までの経緯を書くことや、「履歴図」を書いてみることを勧めている。「高校中退」など、一つひとつのできごとと心の動きを矢印でつなぎ時系列で図式化するものだ。「視覚化すると自分を客観視しやすい」

 助教授がニート克服に立ち会った5人はいずれもこの履歴図作りを実践したという。

いずれもブログを通じてのコミュニケーションが奏功した事例だ。コミュニケーションが苦手なだけなら自宅でできる仕事もたくさんあるわけで、とりわけパソコンの普及は選択肢を増やすことになった。今じゃニートのアフィリエイターや引きこもりのデイトレーダーも珍しくないらしい(?)。新しい収入の道が開けるのはたいへん結構なことだと思う。

おもしろいのは「履歴図」で、はぁん、こんなやり方もあるのかと感心しました。「自分を客観視する」ためのツールというところがポイントかな。見たことないのでよくわからないけれど、近ごろ耳にする「マインドマップ」などというのと共通するものがあるのかも知れない? これもなんか図(絵)を描くんでしょ?

★11月3日・追記

上記の記事を書いたとき、「マインドマップ」の画像が表示されなかったので、よくわからないままに書いた。後日改めて調べたら、両者はまったく似ていなかった。図(絵)にするとわかりやすい、ということはあるのだろうが……

関連記事

まだ間に合うよ(2) 7月以降、厚生労働省がニートやフリーターなどを支援する「若者自立塾」がスタートした。しかし、その内実は、早寝早起きなどの生活習慣を身に付けながら、職場体験などによって就労意欲を高めさせ、 「ニートの根性をたたきなおす(与党の有力議員)」(8月3日付・読売新聞) ものだという。 「朝6時半起床。ぞ...
ニート成人 10日付の読売新聞・社説は、成人の日を受けて「『働く』ことの意味を考えたい」と題しているのだが、もちろんニートにも触れられている。  気がかりなのは、働こうとしない若者が増えていることだ。 ~中略~  企業が採用を抑え、人材育成を怠ってきた影響は大きい。だが、若者の側も就労意欲をなくし、働くことに...
ホームレスのボランティアで社会参加?... もうずっと前から考えていたことなのだが、ニートや引きこもりの人たちが社会参加する機会として、ホームレスのボランティアをするというのはどうなんだろ? そうすれば一石二鳥だよね。こういうのをコラボレーションとかなんとかいうのかな? 双方の支援団体が横の連絡を取り合えば不可能なことではないよね。あるいは行...
ニート~良くもなく悪くもなく  このカテゴリーで扱うニートや引きこもりの話題についての、わたしのポジション。 原因  すでに『ニートと引きこもり(5)』でも触れているとおり、ニートや引きこもりの原因は産業構造・雇用・家庭・教育・住宅環境・地域社会など、さまざまな分野で起きている大きな構造的変化にある。それらが複雑に絡...
スポンサーリンク