カウンセリング的視点から

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クリニカル・サイコロジー
臨床心理学。主に病理を持つクライエントに対して、治療的に関わるセラピスト(精神科医・臨床心理士)としての領域
カウンセリング・サイコロジー
カウンセリング心理学。主に健常人に対して、予防・自己実現・自己成長・能力開発的に関わるカウンセラーとしての領域
ソーシャルワーク
福祉学・社会学的な視点から、利用者に適した福祉サービスを提供する。利用者の外部環境に関わり、個人のパーソナリティについては踏み込まない。社会福祉事務所。ケースワーカー
心理職
心理学的な視点から利用者のパーソナリティに関わり、自己変容を手助けする。ハローワークのキャリアカウンセラー(コンサルタント)よりも臨床的なポジション?
うつ状態
意欲・食欲・睡眠欲・性欲など、欲求全般が減退している状態

ホームレスにおいては欲求水準の高い失業・不良系と、欲求水準の低い退却・厭世系とがあるが、失業・不良系は職種および生活対応力を高めるため、自己成長的に関わることが必要である。対して退却・厭世系はうつ状態にあると考えられ、治療的な関わりの比重が大きくなる。

ホームレスに対して社会福祉事務所があまり機能していないのは、

  1. 人員不足
  2. 利用対象者へのアウトリーチ(積極的働きかけ)の不足
  3. ソーシャルワーク主体のため利用者個人の自己変容に影響を及ぼさない

とりわけ3番目の問題は影響が大きく、生活保護を受給させても社会復帰が順調に進まないのは、個人のパーソナリティに変容がないためではないのか。これについては自立支援センターなどの施設も同様と思われる。

特に失業・不良系のホームレスには、今後のキャリア(人生設計)を構築できるよう援助する必要があり、そのためには自己成長的なカウンセリングが必須となる。これはソーシャルワーカーの埒外と思われ、むしろキャリアカウンセラーの分野と考えられるが、ホームレスのハローワーク利用率は高いとはいえず、自立支援センターにおいてキャリアカウンセラーがどの程度機能しているのかも不明である。

ホームレスは一般失業者よりもストレスがたまっており、また社会適応性も低いと考えられるところから、通常のキャリアカウンセリングよりも臨床的に関わり、ホームレス個人の自己変容を促しつつキャリア設計をしてゆかなければならない。そのための専門心理職を充分に配置・機能させることが必要だ。

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